・ 基本的確認事項 ・ 設計者の3つの顔 ・ 名称の由来と社訓・他・ 監督と監理
・ 建築工事の発注方法 ・ デザインが決まるまで  ・ 建設業の仕事の流れ
・ 5つの設計業務 ・ これからの建築計画   ・ 住宅メーカーと地元
  建設業者との違い
・ 設計報酬と期間 ・ 環 設計案内   ・ 設計事務所と建設会社
  設計部門との違い
・ 設計事務所の選定基準    ・ 設計事務所の色々

 
 
W. 設計報酬と期間
前節で設計業務の主な内容を紹介いたしましたが、では報酬と期間はどのぐらいかかるかを再び当社を例に説明させて頂きます。
1 設計契約
まず基本設計の段階で設計監理契約を結んで頂きます。契約の書式も各事務所様々と思いますが、当社では(社)日本建築士会連合会編集<建築士業務委託契約書>に基き締結して頂いてます。
2 設計報酬
前記契約書の第4条第2項の規定<工事費×料率(%)>を採用しております。
尚、当社では工事費の定義は設計見積金額とさせて頂いてます。料率(%)は当社規定料率表の用途と規模により算出の後、設計与条件難易度や距離数にて料率補正を行い確定いたします。(詳細は巻末の資料を参照下さい。)
例えば宇都宮市近郊の一般市街地で木造2階建60坪の専用住宅ですと料率は8.0%となります。設計見積金額を3,000万円とすると設計報酬は240万円となります。これを高いと感じるか安いと思われるかはさておき、この金額が国の登録を受けた資格業務に対する報酬であり決して法外な金額ではないと考えております。
参考までに建築士法に基く建設省告示第1206号の基準を採用しますと、報酬は前記の金額をかなり上廻ります。
3 設計期間
次に本例のフローチャートを提示させて頂きますが、自己紹介の挨拶から建物竣工まで最低でも9ケ月間は必要です。(詳細は資料参照)
業務/月123456789101112 
1 企画設計
   ※店舗や医院等はもう少し必要です。 
2 基本設計 
 ※この期間は、最低2ヶ月は必要です。   
3 実施設計  
 ※社内業務の為、この期間で調整します。 
4 業者選定   

※図渡しから契約まで最低1ヵ月は必要。
5 工事監理     

+αの業務         

4 設計事務所委託は得か損か
さて一体、設計事務所を使った方が得なのでしょうか、損なのでしょうか?
私は<得である>と信じております。そして又皆さんにも竣工時には、そう感じて頂きたいと願って業務に励んでいます。
頂く設計料の対価として設計事務所は各種デザインの提案、工事価格の交渉や工事資材の品質管理・工事そのものへの安心感を提供します。
設計報酬を100%とした時、このデザイン提案料が20%、実施図面作成や各種申請手続料が40%、工事価格交渉費が10%、品質管理や現場監理費が30%と私は経験から算出しております。
この内、工事価格交渉では、設計施工一貫で発注した場合と比べ工事費が安くなれば、その分は得をしたという事です。この金額が設計報酬を上まわれば設計はタダという事にもなります。ここまで極端でなくても、かように設計事務所は設計報酬の何割かを皆さんに還元しているのです。加えて建物の品質は明らかに得です。
又皆さんの工事に対する安心感や各種雑務からの解放感は金銭では計れませんが、明らかに得です。
設計報酬を高いと感じるか、安いと感じるかは価値観の違いですが、自らの住いや自営の建物の計画時には、設計事務所に委託なさる事をお勧めします。
※設計報酬の項で「工事費の定義は設計見積金額とさせて頂く」との内容に?と思いませんでしたか。設計見積金額とは当社で建物につけた価格です。ですから、例えば価格交渉の結果、業者見積金額で3,000万円の建物が300万円安い2,700万円で発注出来た!と建主と手を取り合って喜んでも工事費の定義が業者請負金額となると、当社の設計報酬も300万円×8%=24万円安くなるという事で、一生懸命に価格交渉していたら、自分の首まで締めていたというのでは、内心は複雑な心境なのです。安くなった工事金額の半分をボーナスとして上げるよ、と約束してくれるなら別なのですが。そんな理想的建主に皆さんなれますか?<小さく払って、大きく稼がせろ>が、設計者を使う時の心得です。
 
※同じ工事費で住宅メーカーや建設業者に発注した建物と設計事務所に委託した建物とを比較してもらうと、設計報酬の価値を理解して頂けるのでは、と常々思っています。
でも残念ながらと言うより当たり前ですが一品受注生産品、二棟建てる人はいませんでした。目に見える比較対象が無い為、設計報酬の意義を説明していると、時々詭弁を弄(ろう)しているよな虚しさを感じる時が、本当あるんですよ。
 
ページ最上部