◆ 空気の 1立方メートル(1,000L)重さ◆ 一日どの位の空気を摂取するか◆ 太陽の日射を感覚的に表すと◆ 太陽の日射でお風呂が沸かせるか
◆ 太陽の位置と角度◆ 断熱に関すること◆ シックハウス症候群 

◆ 空気の 1立方メートル(1,000L)重さを、知ってます?

 @空気は1mol(モル)約 28.8g です。モル(mol)とは物質量の単位で22.4Lです。
Aだから 空気 1立方メートル(1,000L)は1000/22.4×28.8=1,285g 約1.3kg です
水の中で水の重さを感じないようなものですが、空気って結構重いんです。

◆ 一日どの位の空気を摂取しているか、知ってます?

 @成人男子の呼吸数は日常動作時、一分間で 約20回 が平均です
Aだから一日の呼吸数は 20回/分×60×24=28,800 回/日です
B空気摂取量を一回の呼吸で500cc(0.5L)とすると 28,800×0.5=14,400Lです
C前の空気の重さを掛けると 14,400/1,000×1.285kg=18.50kg
なんと一日約18kgの空気を吸っている、つまり食べている事になります
ちなみに一日の摂取量 14,400Lは約 4.5畳の部屋に相当します。
空気は、食物のように体に悪いから食べない、とはいきません。
まして一日4.5畳の部屋一杯の空気 約 18kgを摂取しています。お米以上に大事な食物です。

◆ 太陽の日射を感覚的に表すと

 @1Kcal(キロカロリー)とは 1L(リットル)=1kg の水を 1℃ 上昇させる熱量
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A屋根に降り注ぐ太陽の日射量は 1時間、1uあたり 860Kcal (= 1kw/u・h)
B冬、机の足元等に置く電気ストーブが約 0.8kw  (ヒーター2本付きが多い)
屋根 1uあたり、電気ストーブ 1個 800w(ワット)で温めている…と言えます
宇宙空間は-270℃、しかし太陽のお蔭で地球表面温度は約15℃。太陽の熱って凄い!

◆ じゃ、太陽の日射でお風呂が沸かせるの?

 @太陽の日射量の半分が有効とすると、860/2=430kcal/u・h が有効日射量
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平屋建て30坪(約100u)の家の、南面の屋根面積は約 50u
A有効日射率 50%の時、この屋根の受熱量は 430×50=21,500 kcal/h
Bお風呂に15℃の水が平均貯湯量 250L入っていると 44℃のお湯にするのに
(44-15)×250=7,250 kcal の熱量が必要。3回沸かすと 7,250×3=21,750kcal
30坪の住宅、南面の屋根が受ける日射量で平均的浴槽(満水量約300L)の
15℃の水を、一時間で三回も、入り頃の44℃のお風呂に沸き上げてくれます。
 注)熱量の計算ではこれで正解ですが、実際はドラム缶を置いても、ぬるま湯になるだけです

◆ ついでに太陽の位置と角度も知っておいて下さい

 @12/21冬至:日の出は東より南30度から朝 7時頃 、日没は西より南30度に午後4時半頃
太陽高度は 昼に水平面から31度、サッシ高さが2.0mだと八畳間の奥まで日が差します

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A3/21春分と 9/21秋分:日の出は真東から朝 6時に 登り、日没は真西に午後6時 沈みます
太陽高度は 昼に水平面から54度、サッシ高さが2.0mだと約一間(1.8m)日が差します
B6/21夏至:日の出は東より北30度から朝 4時半頃 、日没は西より北30度に午後7時半頃
太陽高度は 昼に水平面から80度、サッシ高さが2.0mだと約35cm日が差し込みます
 ※ 地面から 3mの高さに、軒出80cmの庇を設置すると夏は陽射しを遮り、冬は取入れます
庇は外壁、窓の汚れを防ぐばかりでなく、夏の陽射しを遮る伝統的省エネのデザインです。
 

◆ 断 熱

空気は最高の断熱材、水は最高の蓄熱材
サブ テーマ:ホームレスのダンボール住宅と、内外 コンクリート打放し住宅の 断熱性能は 同じである
@断熱とは簡単に言えば<内の熱を外に、外の熱を内に、伝えない事>です
熱を遮るのに一番性能の良いものは、空気なんです(熱伝導率:λが一番小さい⇒下表参照)
 断熱材/とは多量の空気を含む材料を言います(一般的には熱伝導率:λ≦0.05 以下の材を指す)
A熱伝導率λラムダ とは、熱を伝える割合を 数字で表現したものです(単位:w/m℃) 
数字が低いほど 熱を伝えない、つまり断熱性能が良い事になります
B熱貫流率K値 とは色々な材料で出来ている壁や天井、床の計算結果による熱伝導の数値。
壁・天井・床 は材料、厚み、表面の凸凹や接する空気のにより熱の伝達が変化する。
数字が小さいほど、熱抵抗が大きく 断熱性能が良い壁、天井、床 です
 計算式K= 1/Rt  ※ Rt= 1/αi+壁の熱貫流抵抗 ΣL/λ+1/αj ※ L⇒個々の壁材の厚み(m)
単独壁のK値は 単純に K=(壁材のλ)/壁厚 と割算で簡単に出ます⇒<下表>参照
C蓄熱とは熱を蓄えることで、温ままりにくいけど、温まると冷めにくいに通じます。
D比重とは物質の質量と,同体積の4℃の水の質量との比。ここでは1?の重さを表示します
E比熱:Cp とはある物質 1kgを 1℃上昇させるのに必要な熱量の事です
F容積比熱:Cr とはある物質 1? (1m角の立方体)を 1℃上昇させるのに必要な熱量の事(kcal/?・℃)
計算式は 比重(kg/?)×比熱(kcal/kg・℃)
値が大きいほど 温めにくく、冷めにくい、つまり蓄熱材としては最適なのです
 物性λ:熱伝導率壁厚 :_単独熱貫流率比重Cp:比熱Cr:容積比熱
 材料名(w/m℃) '(K= λ/壁厚:m)(kg/?)(kcal/kg・℃)(kcal/?・℃)
1空気'0.020  1.30.24'0.312
2スタイロフォームB2'0.031500.62 ⇒下記の 1.6倍熱を伝える   
3高性能 グラスウール16K'0.0391000.39⇒基準1.0 設定 ※1160.2'3.20
4綿'0.040     
5'0.052     
6ダンボール'0.074107.40⇒19倍熱を伝える ※5   
7'0.095601.58⇒4.0倍 〃   
8杉・桧'0.12030'4.00⇒10.3倍 〃    ※25000.31 155 ※7
9ベニヤ合板'0.150     
10ALC版'0.1501001.5 ⇒3.0倍 〃6500.29188
11プラスター ボード'0.180     
12'0.550  1000'1.0 1,000※6
13土壁・漆喰'0.600150'4.00 ⇒10.3倍 〃   ※313000.25 325 ※8
14ガラス'0.750  25500.18459
15大谷石'1.1001507.33⇒18.8倍 〃    
16コンクリート'1.4001807.77⇒20.0倍 〃    ※424000.2 480 ※9
17大理石'2.40015016.0⇒41.0倍 〃   
18御影石'3.00015020.0 ⇒51.3倍 〃27000.21 567 ※10
19'83.00  78000.11858
20アルミ'237.0  2700  
21'398.0    864
 では上表の内容を ※印を中心に検討してみましょう
※1 K=0.39標準的断熱材であるグラスウール(GW)厚み10cm の断熱性能を基準値 1.0に設定します。
もし厚みが20cmならば K=0.195 で断熱性能は2倍になります(布団だって厚い方が温かい)
※2 K=4.00木材も厚みが3cm程度の板では、上記 GW の1/10程度の断熱性能しかありません。
もし 厚みが30cmならば K=0.4 となり、断熱性能は同じくなります (ログハウスは暖かい)
※3 K=4.00土壁も15cm程度の厚みでは上記 GW の1/10程度の断熱性能しかありません。
※4 K=7.77コンクリートの内外打放し仕上(ア)18cmの壁の断熱性能は上記GW の 1/20、ほとんど 0です。
厚み15cmの大谷石の壁の断熱性能に近い、つまりコンクリート打放しは大谷石蔵と同じです。
※5 K=7.40ダンボール厚み1cm のK値は上記 コンクリートの壁(ア)18cmに近い。内部に空気を抱えてるから
安藤忠雄のコンクリート打放し住宅は、断熱性能では ホームレスのダンボール住宅と同じ、と言えます。
 
 ここで <断熱材のまとめ>                          資料/ノースプランハウス樺f熱材の話より
断熱材とはロックウール、グラスウール、発泡スチロール等の熱伝導率の小さい物質の事を言います。
一番熱伝導率が小さいのは空気なのです。しかし、上記の表で言う空気とは動かない空気の場合であって
空気層の厚さが3〜6cm以上になると対流(空気の流れ)によって逆に熱を奪ってしまいます。
そこで空気を材料内に閉じ込めたものがグラスウールや発泡スチロースで、これらは厳密に言うと
その素材の中に閉じ込めた空気で断熱します。つまり空気さえ含む事が出来れば、スポンジも毛布も
羽根布団も断熱材ですが、空気を抜いてペッタンコにしてしまえば断熱材ではありません
※6  Cr=1000容積比熱は水が最大、つまり温めるのに時間は掛かるが、温まると冷めにくい、という事です。
蓄熱材として最適なのですが、建築的には水は制御が難しく △です。
※7  Cr=155木材の蓄熱性能は水の約 1/7、木材を暖めることは難しく、蓄熱材としての利用は ×
※8  Cr=325土の蓄熱性能は水の約 1/3、難しい制御法も必要なく熱伝導率も低い為、蓄熱材としては○
ただし利用するには相応の厚みが必要。地盤を利用した床暖房システムも開発されている。
※9  Cr=480コンクリートの蓄熱性能は水の約 1/2、難しい制御法も必要なく 蓄熱材としては◎
熱伝導率が木材や土に比較して高い為、蓄熱した熱量を翌朝まで保持出来るかは疑問
逆に言えば、輻射暖房の熱源として床や壁に利用されている。OMソーラー ・ダイレクトゲイン壁
※10  Cr=567御影石の蓄熱性能は水の約 1/2、制御法も必要無いが高熱伝導率の為、蓄熱材としては△
まとめ / 熱貫流率から断熱を、容積比熱から蓄熱を、考えてみました。
当たり前の話ですが、軽くフワフワしたものが 断熱材に、重量感のある物が 蓄熱材に適します。
・木材は厚材ならば(約 30cm)断熱性能も期待できますが、一般的には断熱材との併用が理想的です。
・土は、厚く使う事は現実的ではないので断熱材との併用が必然です。
・コンクリートの断熱性能は0に近い為、断熱材の併用が必然です。一方、蓄熱材としての利用も可能な為
工夫が必要です。内断熱では蓄熱層として利用出来ず、外断熱ではコンクリートの質感が味わえません。
シックハウス症候群について         2004.4

「シックハウス症候群」という言葉を、マスコミ・メディアでよく聞くと思いますが、
日本で言われている「シックハウス症候群」という言葉の語源は、20年程前からアメリカやヨーロッパで疾患が認知されるようになった、「シックビルディング・シンドローム」です。
 アメリカやヨーロッパの場合は、日本に比べて、新築住宅よりも中古住宅を求める比率が圧倒的に高いため、住宅よりもむしろ新築のオフィスビルで疾患が多く報告され、「シックビルディング・シンドローム」となったわけです。

新築住宅の比率が高い日本では、新築住宅で発症例が多く報告されたため、「シックハウス症候群」という言葉で、10年程前から、マスコミ・メディアで採り上げられるようになりました。 更に、化学建材の需要の拡大や、計画換気の不十分な高気密住宅の増加に伴ない、アレルギー症状の悪化した人が多くなり、「シックハウス」という言葉が社会的に認知されるようになったわけです。
 最近では、幼稚園や小学校の新築校舎で、アレルギーの発症事例が多く報告される様になったため、「シックスクール」という言葉もよく聞かれるようになりましたが、基本的には、「シックハウス症候群」と同じものです。


「シックハウス症候群」と密接に関連する疾患として、「化学物質過敏症」と「アレルギー性疾患」があります。
 分類としては、3つとも、環境汚染や有害化学物質などの複合的な原因による「アレルギー」というカテゴリーに入ります。
 「シックハウス症候群」の定義については、諸説ありますが、
「化学物質過敏症」のうち、アレルギーの原因が建物の内部にあるものを「シックハウス症候群」と考えると解かりやすいと思います。

「化学物質過敏症」のうち、原因が建物の外にあるもので、一般的に知られているものとしては、「ダイオキシン」や「PCB」など、環境ホルモンに指定されている物質や、食品中の残留農薬・除草剤、又、工場や車の排気ガスによる大気汚染など、多種多様の化学物質が存在しています。
「シックハウス症候群」の原因と言われている、室内に存在する化学汚染物質で代表的なものは、「ホルムアルデヒド」と「有機リン系の殺虫剤」です。
 「ホルムアルデヒド」とは、水溶性のホルマリンが気化したもので、新築の建物に入った時、ツンとくる臭いや目がチカチカする原因のほとんどがこれで、一般的には、合板やクロスを貼る接着剤などに使われています。  又、「有機リン系の殺虫剤」とは、農薬として使われているものですが、木造の住宅では、床下のシロアリ駆除剤や畳の防虫処理などに使われています。

一般的な建物の内装建材に存在する有害な化学物質としては、フローリングや家具などの合板用接着剤に含まれる「ホルムアルデヒド」、畳表や防虫シートに浸透させた有機リン系の防虫剤、カーテンやカーペットの防虫・防炎剤に使われている有機リン系の溶剤などが代表的なものです。
これらの他にも、室内に塗られる塗料の溶剤として使われている「トルエン」・「キシレン」・「テトラデカン」などの揮発性有機化合物などは、経済性や施工上の利便性から一般的に使われています。
 しかし、建築材料を選択する場合、そこで生活する人々の健康面への配慮や、廃棄処理した場合の環境への影響を優先して考える必要があると思います。

「シックハウス症候群」に関連して、室内の環境汚染が原因となる「アレルギー性疾患」についても少し触れたいと思います。
「アレルギー」というと、スギ・ヒノキなどによる花粉症、乳製品・穀物類などによる食品アレルギー、アトピー性皮膚炎などが一般的に知られていますが、室内の環境汚染による「アレルギー性疾患」のうち、最も多いものは、ハウスダストやダニによるアレルギーです。
 家の中に居るダニの中でも、アレルギーを起こすものの代表は、「ヒョウヒダニ」と呼ばれるもので、そのヒョウヒダニのフンや卵・死がいが細かい塵となって空気中に漂い、ハウスダストとなって、「アレルギー性鼻炎」や「ぜんそく」などの疾患となるわけです。
 このヒョウヒダニを死滅させるために、強力な有機リン系の防虫剤を使ったダニ駆除剤や、防ダニ処理した畳などを使うと、そこで生活している人間が、化学物質過敏症になる危険性があります。
 最も簡単なダニ対策は、部屋の換気です。 室内の換気を十分することで、ダニなどが含まれているハウスダストを外に放出し、室内を乾燥状態に保つことが、ダニ予防の基本です。
 又、木の持っている自然の防虫殺菌効果や自然素材の吸湿作用により、ダニの発生しづらい室内環境を作ることも有効な方法です。
 最近では、ダニやアレルギーにも効果があると言われている、ユーカリの葉から抽出された「ユーカリオイル」などの天然の防虫剤なども注目されています。
 その他にも植物から抽出された天然のエッセンシャルオイルも市販されていますので、興味のある方は、試してみると良いかと思います。

「アレルギー性疾患」の原因については、環境汚染や有害化学物質による影響、更にアレルギー抗体反応など色々と指摘されていますが、疾患の原因や発症のメカニズムについては、解明されていない部分が多いため、もしアレルギー症状が出た場合には、専門医に相談してアレルギーの原因を究明し、取り除くことが重要です。
 現時点で、我々に出来る事は、常にアレルギーに関する最新の情報を求めると伴に、予防医学的な観点から、室内環境にとって最善の建築材料および施工法を選択するように心掛けることが大切だと思います。 

                               ( 田村 )